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Vol.13「近未来、君は生き残ることができるか? VSTOL M.F.P HIGHWAY PATROL JACKET」

革の時期じゃないだろがっ! でも・・・

皆さま、ご無沙汰しております。などと申しますと、「「月刊・・」じゃねーのかっ!」とお叱りを受けそうなんですが・・・。私事で恐縮ですが、5月、6月はショップのオープンに奔走しておりまして、ああ、書かなきゃ書かなきゃなどと思いつつものびのび太になってしまいました。この場を借りましてゴメンナサイ。
M.F.P HIGHWAY PATROL JACKET
映画マッドマックスに登場する近未来ポリスのジャケットだ。ビデオ・DVDをお持ちの方は見比べてみよう。
って、コラム書こうと思ったら、暑い、暑いじゃねーかっ、夏っぅー!
でもまぁ去年に比べりゃ今年はエルニーニョなんてブラジルサッカー選手のような名前の現象おかげで結構梅雨寒だったりしております。
実は梅雨寒で昼間ちと涼しかったりすると夜は結構冷えたりしまして、バイクに乗る人間にとっちゃ、「あっ、ライジャケもってくりゃ良かった」なんてことがわりとあるんですね、これが。
ただいくらライジャケが欲しいといっても、ラングリッツやエアロレザーなんてこの時期は暑過ぎ、ゴツ過ぎ、重過ぎで問題外、バンソンやカドヤもかな〜りヘビーで同様に外したい気分・・・。こいつらはライジャケとしては完成度が高いんですが、いかんせん革が厚い、初夏にはちょっと・・・といった奴等なんですね。本音でいやぁ、梅雨寒の時期に着るのはA-2かL-2シリーズのようなライトゾーン(10℃〜30℃)対応のフライトジャケットがせいぜいです。

こんな時、サクッと羽織ってバフォっと走り出せるライジャケは無いものか・・・。いやいや、実はあるんです。そいつが今回お題のVSTOL M.F.P HIGHWAY PATROL JACKET(以下M.F.Pジャケット)です。

もう買うまいと思ってたが

拙者、去年はイーストマンのA-2にラングリッツのパッディッドコロンビアと「こちとら自腹じゃ」をやりまして、「もう、も〜う、タフジャケを買うまい。今ある奴等に自分の歴史を刻むだけでも大変なんだから。」と思っておりました、今年の5月までは。
ところがショップの取引関係でVSTOLさんのM.F.Pジャケットをお借りする機会がありまして、これが拙者の病気の再発を呼んじゃったんですね。
最初は拙者も「ふ〜ん、マッドマックスマニアの方が復刻したライジャケなんだ・・へぇ〜。」「まっ、拙者も結構映画の影響受けてカドヤバトルスーツをオーダーしたくちだからなぁ。一度見てみたいもんじゃ。」なんて程度の興味だったんですが。
で、届いたジャケットを見て、「あっ、こりゃあかん、む、胸が、く、くるいし・・・早くM.F.Pを!」となってしまいました。ゴメンナサイ、俺の財布、ゴメンナサイ、ゴリ子さん。

ここがポイント!?

M.F.Pジャケットと、それを復刻したVSTOLの詳細については、同社のHPを見ていただくとして、ここではジャケットの概要と拙者の病気が再発した理由を明らかにしましょう。
スタイル上の最大の特徴であるデカイ襟と、肩のプロテクター。 これにより、一見してフツーWライダースとは異なる独特の雰囲気を醸し出している。
まずM.F.Pちゅうのは何ぞや?と申しますと、1979年に公開されたオーストラリア映画「マッドマックス」の劇中で登場する近未来ポリスのことです。この近未来ポリスの隊員が着てる制服を可能な限り復刻したのがVSTOLのM.F.Pジャケットです。
なんでも「実際にM.F.Pが存在したら・・・」を考え抜いたそうで、ボディは北欧産のホースハイド、インナーはノーメックス(これは月刊タフジャケのフライトジャケットCWU-45/Pでも紹介してるデュポン社の耐熱・難燃素材です)を、他にもスイスriri社のジッパー、米国スコービルのドットボタンを使用しているというこだわりです。

そうそう、このM.F.Pジャケットには、映画の登場人物にちなんで、「MAXタイプ」と、「GOOSEタイプ」の2種類が用意されてます。2つの主な違いですが、GOOSEってのがバイク専門、映画ではいわゆる白バイ隊員の役なんで、「GOOSEタイプ」には肘の部分にパッドが付いていること、あと肩パッドの形が若干違うことです。ちなみに拙者が購入したのは「MAXタイプ」です。

では拙者が再度「こちとら自腹..」に踏み切った理由ですが、まずは・・。
このM.F.Pジャケット、スタイルは普通のW(ダブル)タイプのライジャケですが、一見して一種独特の雰囲気を醸し出してます。なんでか?そりゃ襟がデカイからです。私見なので人の見方はそれぞれでしょうが、拙者にしてみると、これが、このデカイ襟がですね、カッコイイんです、いやホンマ。これは吊るしてあるM.F.Pジャケットを見るよりも、実際に人が着てるのを見るのがよろしいと思います。
インナーには耐熱・難燃のノーメックスを使用している。ライジャケには珍しい仕様だ。<
おつぎの理由は、非常に上質だが薄手のホースハイドを使ってることです。
実は拙者の購入理由の7〜8割ほどがここに集約されてます。まったく同じスタイルでも一般的な牛革を使っていたら拙者はまず購入しなかったでしょう。上質だが薄手のホースハイド、こりゃもうある意味A-2の世界です。実際にA-2と比べりゃ色は全然違うし、M.F.Pジャケットの方が革も少し厚く且つしっかり硬いんですが、拙者の受ける感じはイーストマンの実名A-2「ROUGH WEARモデル」と通じるものがあるんですね。
はっきり言えるのは梅雨寒を含む初夏、あるいは晩夏から初秋にかけて十分実用可能なライジャケであり、ラングリッツ他ヘビーレザーのライジャケが苦手とする季節をかなりカバーできるってことです。こりゃバイカーにとっちゃ思いのほかデカイことだと思うのは拙者だけ?

さて、ひとつ気になるのはこのジャケットの革の硬さ。しっかりしたホースハイドを使ってるのは分かるんですが、新品は結構バリバリ感があります。ただ薄手の革なのでエアロレザーのようなガチガチの着用感は皆無ですので念のため。まぁ、しっかりした革のジャケットが好きで、且つそれを着倒して自分のものにしていくのが好きなんて方には全然気にならないでしょう。

情熱があればこそ

メーカーでもなく、既存のショップでもないVSTOLが、とにかく「マッドマックス好きじゃぁ〜、あのライジャケ復刻してぇーーーっ!」という情熱で完成にこぎつけたM.F.Pジャケット。それは、「もう買うまい」を心に決めていた拙者を動かすのに十分なクオリティと魅力を持ったライジャケでした。

このM.F.Pジャケット、マッドマックスマニアは勿論ですが、「夏でも革着て走りたいぜっ」というバイカーには是非一見することをオススメしちゃいましょう。
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