|
見た目のハードさ、プロテクション機能とも他のウェアと一線を画するバトルスーツ。写真からもそのゴツさがお分かりいただけると思う。外側に3つ、内側に1つのポケットがあるのは実用的
|
ストリートウェアに特殊なプロテクション機能は必要ない。あったりまえだよねー。「北斗の拳」や「マッドマックス」じゃあるまいし、今のところ拙者の回りには南斗聖拳の使い手も手当たり次第に襲ってくるモヒカン野郎もいません。
しかーし、なのです。
バイクというアイテムが生活に入ってきた途端にウェアへの要求は一変します。「バイクに乗るぞ」というライフスタイルを選んじゃうと、普段着用するウェアに対しても、防風性、防寒性、対衝撃性などのプロテクション機能を考えざるを得なくなっちゃうのですよ、これが。
原チャリから400ccまで、20年以上ほとんど毎日のようにバイクに乗ってきた拙者としてはもはや前述のプロテクション機能を考慮に入れずにウェアを選ぶことはあり得ないと申してしまいましょう。
そして拙者の要求をある程度のレベルで満たすのがライダースジャケットとフライトジャケットといったタフジャケット達なのです。
さて、そのタフジャケットの中でストリートウェアとしての最小限の日常性・一般性を残しつつ、最高にハードなイメージとバイクでのアクシデントに対して最大限のプロテクション機能を持たせたのが、日本を代表するライダースジャケットの老舗、カドヤのバトルスーツなんです。
|
左の内ポケットの上部のタグ
筆者の名前と通しナンバーが入っている
|
バトルスーツのベースになっているのはいわゆるW(ダブル)と言われるライダースジャケットです。そのWライダースジャケットの片方の肩につき2つ、肘に1つのパッドが縫い付けられており、肘から手首にかけてをカバーする着脱可能なプロテクターが付属しています。加えて背中から鎖骨部分をカバーするプラスティックプレートまで入っているという念の入りよう。まさにバイクのアクシデントに対しては至れり尽せりの装備で、レーシングライダーが着る革ツナギを除いてこれ以上のウェアはないといえるでしょう。そんでもって、カドヤではフルオーダーでひとりひとりにピッタリのものを作ってくれます。
さて、着用感ですが、ベースとなるライダースジャケットには非常にしなやかな牛革が使われているので、最近流行の馬革(ホースハイド)のライダースジャケットのようなガチガチ・ゴワゴワ感は一切ありません。しかーし、何と言ってもこれだけのプロテクターを装備してる訳で、やっぱりかなり重いし(というか、最高に重いタフジャケットのひとつでしょう)、腕はちと動かしにくい(ような気がする)。それに前傾の激しいバイクではメットをかぶった状態で振り向こうとすると、メットと肩のプロテクターが接触することも。
この着用感も含めて、まさにバイクに乗るためのヨロイといった感じです。
だから、気軽に羽織ってスイッとお出かけという気分にはなりません。こいつを着るには気合がいる、とゆーか、気合入れなきゃ着れねーよ、これっ!
ただ、気合がいる分、こいつを着て走り出したら気分は「マッドマックス」のグースか、孤高のバイク戦士!?。
ただ、見た目は、その、なんというか…写真の通りゴッツイというか強烈なので、こいつを着てストリートに出ようもんなら目立つ目立つ。シチュエーションを間違うと思わず失笑を買ったり、自ら赤面することもありそうな…。だから、間違ってもこいつを着て原宿、表参道あたりでバイクから降り、お茶などしてはいけません。(ここが俺がイマイチ硬派になり切れないとこなのよね〜)
人それぞれとは思いますが、拙者にとってバイクは、ハードとかタフとか、男の…といったイメージがつきまとうカッコよきシロモノなんですね。そのバイクに乗るというシチェエーションで最高にハードなイメージと最高の機能をかたちにしたのがバトルスーツです。
「なんてカッコしてんだアイツ」なんて言われてるんだろなー、と多少の気恥ずかしさを感じつつ、それでも「俺は俺さっ!」と、こいつを着てバイクで走りだすのも時にはいいものかもしれません。