今回はアルファインダストリーのL-2Bです。
なにを隠そう、このL-2Bは拙者にとって最も使用頻度の高いタフジャケのひとつなんです。となりゃ紹介せずばなるまいてな訳で、今回のターゲットに。
フラジャケ好きの方ならご存知の通り、このL-2B、シルエットも、セージグリーンというカラーもMA-1にそっくりです。
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アルファインダストリーのL-2B
過酷な?使用でかなりくたびれている。
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そうそう、MA-1といえば、ガングロギャルが渋谷に発生・増殖した如く、1980年代半ばに一大ブームを巻き起こしたことがありました。右を見ても左を見てもMA-1野郎ばかり・・・。これぞ商機とばかりに、フラジャケには縁がないようなブランドのものをはじめ、どこで作ったか分からないようなバッタモンまで、MA-1(もどき)が氾濫したもんです。しかし、所詮ブームは一過性、ブームが過ぎ去った後、MA-1とそのもどき達は競馬場や競艇場でよくみるオジサンや、オタク風味な学生さん、バイク便のオニーチャンの定番モノになってました・・・。
ところがどっこい、すでにCWU36/P、CWU45/Pといった後継ジャケットにその座を譲ったとはいえ、MA-1やL-2シリーズ(L-2、L-2A、L-2B)には機能性の高さ、完成されたシルエットといったホンモノのみが持つ普遍性があったんですね。フラジャケを愛する根強いファンがいたことは勿論ですが、多くのタレント(所ジョージや、キムタク、TOKIOの山口くん、山崎まさよし)がこれらのフラジャケをセンス良く?着こなしてメディアに露出してくれたこともあって、今ではすっかりジャンルを越えた定番になったようです。
さて、L-2Bってどんなフラジャケなのか・・・。
L-2Bは、フラジャケの横綱A-2の後継ジャケットとして1945年に登場したL-2の最終タイプです。
A-2の後継ということは、いわゆるライトゾーン(気温が10℃〜30℃のエリア)を対象としてるわけで、日本の気候にかなりマッチしているといえます。
最終タイプというからにはL-2はL-2A、L-2Bへと発展していくのですが、シルエットや機能面での違いはほとんどなく、明らかな違いははっきり言って色だけです。
その色ですが、L-2はオリーブドラブ、L-2Aはエアフォースブルー、L-2Bはセージグリーンになってます。現在入手できるレプリカも大体このような色揃えになってるようです。
カジュアルウェアとして定着した?MA-1ほどは遊びがないというか、色揃えは多くありません。シリーズ各タイプの違いにこだわるバッリバリのマニアは別として、L-2シリーズが欲しい方は好きな色で選んでいいと思います。
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MA-1との違い、その1
肩のエポレット
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色をベースにL-2シリーズの中から欲しいタイプを選んだら、さぁ、次はどこのものを買うかです。これはもう好き好きというか、考え方なんですよね〜。
ちなみにL-2シリーズをリリースしている主なレプリカメーカー(ブランド)には、米国アルファインダストリーをはじめとして、ザ・リアルマッコイズ、東洋エンタープライズ(バズリクソンズ)、キャブクロージング、フェローズ(C.C.マスターズ)などがあります。
価格的には、最も安価なアルファインダストリーの約1万円から、最も高価なマッコイズの約4万円まで4倍近い差があります。クオリティの高さに加えてレプリカとしての完成度が高く、少量しかリリースされないものが当然高くなってます。ただ最も安価なアルファのものが耐久性を含む機能性でそれほど劣っているとは拙者には思えません。このあたりは後ほど詳しく紹介しましょう。
あっ、そうそう、アルファインダストリーについてですが、1959年に創業、1961年にM-65フィールドジャケットを納入して以来、米軍に軍用衣料を納入し続ける米国最大の軍用衣料メーカーです。アルファインダストリーのフラジャケは20カ国以上の空軍から支持・使用されてるそうで、まぁフラジャケメーカーの雄ってとこでしょうか。
アルファインダストリーのL-2Bの使用・着用感ですが、これが素晴らしいのであります。
まずその良さですが、なんたって軽い!そりゃもう軽い。着てようが、脱いで持ってようがこれだけ軽けりゃそりゃ楽です。そして動きやすい。そりゃもう動きやすい。結構身体を動かしたり、あるいはバイクに跨ることも含めて、およそ日常の行動・動作で不都合を感じない。勿論フラジャケとしての防風性やそこそこの保温性もある。飛行士ではないパンピーな拙者の日常的な使用おいて機能面でこれ以上望むことはないと言えるほどです。
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MA-1との違い、その2
裾の三角フラップ
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おっと忘れちゃいけないのが、そのコストパフォーマンス。
バイカーであるが故に拙者のL-2Bの使用環境は耐久テストもかくやといったものがあります。照り付ける日差しは勿論、土砂降りの雨の中をL-2Bを着て何時間もバイクで走ったり、暑くなれば丸めてバイクのリアシートにくくりつける。あるいは走行直後でまだ熱をもってるスクーターのシート下にクシャクシャにして突っ込むとか、アウトドアでは尻の下にひかれてレジャーシート代わりにされる等等。まぁこんな風に使えるのも価格の安さ故なんですが・・・。そんなこんなの使用で数年が経ちますが、拙者のL-2Bは破れや襟、裾のリブのほつれもなくいたって元気です。
ここまで書くとまるで欠点がないようですが、見ようによっては(というか、間違いなく)MA-1のそっくりさんで、見慣れちゃったことはひょっとしたらマイナス?最近はユニクロさんも似たようなジャケットを販売してますし・・・。また、拙者自身、マッコイズやバズリクソンズのL-2Bを所有してないので比較はできないのですが、やっぱり見栄を張るような高級感はないわなぁ、アルファインダストリーのL-2Bには。なんたってテロテロですから・・・。