写真をぱっと見て、「なんだB-3じゃねーか」と思ったアナタ、アナタの感性は正常です。
「う〜ん、今回はB-6か…」とすぐに分かったアナタ、病状がやや進んでます・・・なんてね。
という訳で今回はAVIREX(アヴィレックス)のB-6です。
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AVIREX B-6 約20年に及ぶ酷使によりかなりヘタっている。お手入れもさぼっちゃったのでボアも真っ黒? |
このB-6ってやつは、ストリートウェアとしてすっかり定着しているB-3とと〜ってもよく似たフラジャケです。B-6は襟のベルトが1本だとか(B-3は2本)、ポッケがジッパーだとか(オリジナルには確かジッパーはありません。)、両サイドにアクションプリーツがあるとか、違いはまぁそんなもんです。着用したときのシルエットだってそう大差ないです。(マニアの方は異論がおありでしょうが・・・)
そうそう、お断りしておかなきゃいけないんですけど、今回紹介のB-6はAVIREX製であること、それはとりもなおさずバリバリのレプリカではないということです。現在でも米軍にフラジャケを正式納入し、ハリウッド映画にもウェアを提供してたりする米国フラジャケ界のメジャーブランドAVIREXですが、一般消費者向けの製品は比較的カジュアル志向が強く、バリバリのレプリカと呼べるものは少ないです。 おまけにこのブツは20年近く前に拙者が上野の中田商店で購入したものです。いまではこの製品自体、あるのかないのか、あっても結構変わってるかもしれません。(まぁ、当時はマッコイズもバズリクソンズもなかったんでご容赦をば・・・)
さて、B-6についてです。
1939年に登場したB-6は、マイナス10度からプラス10度というインターミディエットゾーンを対象にしたフラジャケです。読者の皆さんの彼女や奥さんなら100%区別できないほど見た目そっくりなB-3はマイナス10度からマイナス30度といった極寒のヘビーゾーンを対象にしてます。このようにB-3とB-6は見てくれは似てますが、実は使用条件が区別された異なるフラジャケなんですね。ただ、時代が時代ですから、実際の使用に際し、このふたつのフラジャケにどこまで明確な線引きがあったかは拙者には不明ではありますが・・・。
B-3は防寒性において非常に優れていましたが、機動性が悪い、早い話がモッコモコでかんなり動きにくいという欠点がありました。この動きにくさが非常時には狭苦しいコックピット内で機敏な動作を要求されるパイロットやクルーに敬遠されたようです。そこでB-3と同じシープスキンを使ってある程度の防寒性を確保しながら、より機動性を高めたフラジャケが模索され、B-6が誕生します。
そうそう、B-3、B-6などのシープスキン=羊革を使ったフラジャケについては、まぁ羊の皮をバカッと剥いで、ベロッとひっくり返して着ていると思えばいいでしょう。
話はちっと逸れますが、1980年代の前半あたりからちらちら見るようになったB-3などのシープスキンジャケットは、80年代半ば以降急速に普及、とっても流行だし、今ではすっかり定番商品となりました。そういやバブル華やかなりし頃は、ホスト系のニイチャンや、バブリーで軽いそーな学生チャンがしきりと着ていたもので、今でもB-3を見れば当時のことを懐かしく思い出す方も多いと思います。
日本ではストリートウェアとして、そういった妙な(?)歴史を持つB-3、B-6などシープスキンジャケットですが、拙者はこいつらのデザイン(スタイル・機能等)が大好きなんですね。だからこそ、こいつらをカッコよく着こなすミドルが少ないことが残念だなぁ〜などとちょっぴり思っております・・・。
掲載写真のAVIREX B-6ですが、前述の通り、20年近く前に購入したもので、それ以来、毎冬着用してます。まさに冬にバイクに乗るためのブツなもんで、その酷使度合といったら、そらもうゴメンねB-6チャンてなもんです。冷たい雨に打たれたことは数知れず、おまけにちとお恥ずかしい話ですが、若き日の拙者はコイツを着て何度か転倒もしてるんですね(車と接触事故ったことも・・・)。 こんな風にただでさえ酷使してるのに、手入れなんてしたことないから、見てくれはか〜〜〜なりくたびれてます。でも、着用にはぜーんぜん問題なし。破れ・ほつれ・ジッパーのトラブル等も一切無く、驚くほどタフなブツです。(唯一車との事故の際にフロントのジッパー脇の当て革が切れましたが、着用には全く問題ないためほったらかしです。)
ザッパ-な仕上げだけど、と〜ってもタフ。それがAVIREXのB-6です。今年の冬は勿論、あと10年は楽勝、いやそれ以上・・・かな(?)。
(「キ、キタネー!」と言われないよう、今年は手入れするぞー・・・し、しようかな)