Tough Jacket
Tough Jacket タフジャケット=フライトジャケット&ライダースジャケットの総合情報サイト=

Vol.8「硬いのが素敵っ!、エアロレザー」

キムタクが着てた!?

「みの〜みの〜!」とラブコールを上げながらおもいっきりテレビに見入るオバちゃんよろしく、お昼のワイドショーなど見てますと、ファッションのコーナーから「今年の秋冬はレザーが流行です」てな台詞が耳に。な〜んかここ数年、毎年この時期になるとおんなじことが言われてるような・・・。「また革かよっ!」とサマーズ三村風にツッコミながら、まだそれほど寒くないこの時期、どのタフジャケを着ようかと考えて頭に浮かんだのが今回ゴリジャケのお題として取り上げる英国エアロレザーの「4 Pocket DirtRider Jacket」(以下ダートライダージャケット)です。
エアロレザーの4 Pocket DirtRider Jacket
最近人気のトラッカーと呼ばれるタイプだ
そうそう、しょっぱなから余談で恐縮なんですが、エアロレザーの革ジャンといえば、何でもキムタクが「若者のすべて」とかいうドラマで着てたそうで、それでもってエアロレザーはかなり知名度を上げたようです。
ちなみにその時着てたのは、「Highwayman」というエアロレザーの代表的人気モデルのひとつ。カラーはブラウンでした。

キムタクのドラマなんて見たこともない拙者は知る由もなかったのですが、エアロレザーの革ジャンウンチクには必ず登場する話題みたいですね。まぁ、拙者にとっちゃ、そのタフジャケがスタイル・機能性・クオリティにおいて、購入し、着たおすに足る魅力を持ってるかどうかがキモな訳で、キムタクが着ようが坂本ちゃんが着ようが、どーでもいいのですが・・・(と、マックィーンやイーストウッド、トム・クルーズやシュワルツェネガーをはじめとする外タレや洋画に影響受けまくった自分を棚に上げる拙者であった)。

やっぱり馬が好き!

おっと、ダートライダージャケットについてリポートする前に、エアロレザーについてちと触れときましょう。
エアロレザーといえば何と言ってもホースハイド(馬革)を使ったジャケットが有名で、ここ数年のホースハイドブームの仕掛け人とも言われてるメーカーです。日本上陸は80年代後半、そして前述の94年のキムタクドラマ以降、その名もしっかり定着したようです。

英国スコットランド地区グラシールズに工場を構えるエアロレザーは、若き日に古着ビジネスを始めてサクセスした当年(2001年)とって56歳のオッチャン、ケン・カルダー氏が1985年に創設したメーカーです。このエアロレザー、設立当初はカウハイド(牛革)を使って、代表的フラジャケA-2のレプリカやオリジナルモデルである「Halfbelted」、「Highwayman」を製作・販売し、イギリスで人気を博してたんですが、よりクラシックな質感を求めるうちホースハイドに辿り着いたようです。しかし、イギリスにはホースハイドをレザークラフトに使う習慣がなかったので、米軍にフラジャケを納入していた米国老舗メーカーの協力を得、そのレシピを活用してノウハウを蓄積したそうです。その後は、スコットランドの職人気質にモノを言わせて人気モデルを次々生み出し、イギリスでブレイク、続いて日本でブレイク?となり現在に至ってます。作ってるのは前述の「Halfbelted」、「Highwayman」などのレザージャケットと、A-2、B-3といった代表的フラジャケのレプリカです。

このエアロレザーのジャケットについては、東京渋谷のショップ「スラップショット」で扱ってるんですが、実はこのショップを傘下に持つ会社(社名は忘れました、スンマソン・・・)が日本の総代理店となってます。という訳で、ご興味ある方はスラップショットに問い合わせればいいでしょう(スラップショットは、トップページのショップ・メーカーリストにて検索できます)。拙者がダートライダージャケットを購入したのも、ここです。なお、エアロレザーはホームページを持ってますが、英国内は別として日本からのオーダーに対してダイレクト販売には応じないようです。このあたりは、日本からのダイレクトオーダーに快く対応してくれるイーストマンやラングリッツに較べるとちと残念なところでもあります。

※2001年12月17日現在、日本からエアロレザーへのダイレクトオーダーができることを、ケン・カルダー氏とのメールのやりとり、及びエアロレザーのHPにて確認いたしましたので、ここに訂正させていただきます。

とっても硬いの〜

お待たせしました。では早速ダートライダージャケットのリポートです。
ライダースジャケット(ライジャケ)のスタイルは大雑把にいって、ラングリッツのコロンビア、ショットのワンスター等に代表されるWタイプと、バンソンのmodel Aやmodel B他に見られるシングルタイプに分けられますが、エアロレザーのダートライダージャケットは後者、シングルタイプにあたります。また、コイツはシングルタイプの中でも最近人気のトラッカーと呼ばれるスタイルをしっかり踏襲してます。バイクに乗る方ならご存知でしょうが、ストリートファッションの一部としてバイクに乗る最近の若モンの間では、バイクもトラッカースタイル(アメリカのダートトラックレースで使用されるバイクの形が源流、国産メーカーの販売するオフロードモデルやダートトラックレーサーもどき?を自分なりにモディファイしたもの)が流行ってます。そんなこんなの影響で、最近ではこのトラッカータイプのライジャケ、結構人気が高いようです。

さて、そんな人気のトラッカータイプのライジャケの中で、エアロレザーのダートライダージャケットの最大の特徴は、何とといってもホースハイド(馬革)製であることです。っていうかホースハイドであることが唯一無二の特徴!?なんですけど、それがこれから述べる他のライジャケとの明確な違いの源泉であり、欠点?であり、魅力でもあるんですね。

まずダートライダージャケットを手に取って感じるのが、その重さ。結構重いぜ、こりゃ。
Wタイプのライジャケに比べ、ベルトやエポレット、余分なポケットやパッドなどが一切ないシンプルなシングルタイプにも係わらず、重いっすよ、コイツは。ラングリッツのコロンビアほどではないものの、なかなかの手強さです。

さて、ではサクッと羽織ってって、とっとっと・・・。
硬てーーーーっ!コイツぁ硬いぜ、ハードだぜっ! いくら硬い男が素敵と言われても・・・。
特に新品のダートライダージャケットは、ほんとにハード、ガチガチです。そっと床に置くと立つんですぜっ、このライジャケ。拙者のダートライダージャケットは購入してちょうど3年ということで、ようやく柔らかくなり、馴染んできたんですが、それでもまだしっかり立ちます、立っております。
この硬さがまんま動きづらさにつながるので、コイツを着て外出した時など、ちょっとカフェで一服なんてことになると、とりあえずコイツを脱ぎたくなったりします。だってぇ〜カップを手に取って口元に持っていくっていうシンプルな動作がしづらいだも〜ん。コイツをはじめとするシングル(トラッカー)タイプのライジャケはタイトに着た方が様になるものなんですが、如何せんそれなりマッチョという体型的問題もあってピッチリタイトになってしまう拙者にとって、コイツの動きづらさは、拙者の保有するタフジャケの中でもトップクラスです。

こう書くと、「何だ〜、あんまりイイとこ、ね〜じゃね〜かぁ」などと思われそうですが、チトお待ち。
コイツの最大の魅力は、欠点とも言える特徴の裏返し、まさにホースハイドの持つヘビーさ、ハードさにあるんですね。コイツは、「俺はタフだぜ、ハードだぜ、俺を馴染むまで飼い慣らせるかい?味が出るまで着たおせるかい?」と挑戦してくるかのような・・・そんなタフジャケです。そこには手に取ってこそ分かるヘビーホースハイドの魅力があります。

荒馬を飼い慣らせっ!

アメリカンテイスト一杯のトラッカータイプでありながら、スコットランド生まれのエアロレザーダートライダージャケット。その魅力はヘビーなホースハイドを使用したことによる他に類を見ないハードさにあります。おしゃれに着こなすと言うよりは、まさに荒馬を調教し、飼い慣らすという表現がピッタリ。だからこそ、自分の味がでるまで着たおし、飼い慣らす楽しみや喜びは格別です。
他にも数種類のホースハイドジャケットをリリースするエアロレザーですが、シングル・トラッカータイプのライジャケをお探しのタフジャケッターは、是非候補の一着として直接触れてみることをお勧めします。案外その欠点・・・じゃなかった、魅力の虜になるかもよ。
copyright Tough Jacket all rights reserved. 禁・無断転載