画像はフェローズ C.C.MASTERS MA-1(1st)、画像提供:GORILLA |
◆概 略◆
日本で最も知られたフライトジャケットといえるのが、このMA-1である。シープスキンのB-6以降、コットンのB-10、コットンからナイロンへと途中で切り替わるB-15シリーズへと続くインターミディエイトゾーン(-10℃〜+10℃)対応のフライトジャケットの流れの中で、1954年にB-15Dの後継として登場した。
ちなみに、ナイロンは1935年にデュポン社の開発した素材で、ナイロンを素材として採用した初のフライトジャケットが、ライドゾーン用(10℃〜30℃)のL-2と、インターミディエイトゾーン用(-10℃〜10℃)のB-15Bであった。
MA-1は、その完成度の高さと、度重なる改良(MIL-J-8279からMIL-J-8279Eまで、フライトジャケットとしては6回)により20年以上使用された。
MA-1はその長い歴史の中で実戦を経験することとなる。1964年の米国の北爆開始から1973年の和平協定締結まで続いたヴェトナム戦争である。当時米国空軍の主力戦闘機であったF-4ファントムのパイロットが着用したのがMIL-J-8279Dタイプであった。
1973年に海軍が採用した耐熱アラミド繊維製(アロマティックポリアミド、商品名ノーメックス)のCWU45/Pが、1976年空軍にも採用されるにいたり、MA-1はそのフライトジャケットとしての使命を終えることになる。(1978年には、7回目のスペック改編を行ってMIL-J-8279Fとなり、グランドクルーの冬期用ジャケットに使用目的が変更されて継続使用された。)
◆特 徴◆
ボディはナイロン製でニットの衿を採用している。軍の仕様規定であるミルスペックMIL-J-8279から8279Dまでのモデルはフラップを持たない、いわゆるスラッシュポケットになっているが、フライトジャケットとしての最終モデルであるMIL-J-8279Eと、グランドクルー用MIL-J-8179Fにはポケットにフラップが追加されている。
また、ヴェトナム戦争時に使用されたMIL-J-8279DタイプとMIL-J-8279Eタイプは、緊急時に味方の救助を受けやすいように(発見されやすいように)、リバーシブルになっており、リバーシブル面にはレスキューオレンジと呼ばれるオレンジカラーが採用されていた。
*特徴については、1990年に世界初のリアルナイロンフライトジャケットの完全デュプリケーションに成功したフェローズ(C.C.MASTERS) の商品を元に解説してあります。
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◆レプリカについて◆
代表的なレプリカメーカーは以下の通り。<日 本>
フェローズ(C.C.MASTERS)
*フェローズ(C.C.MASTERS) 商品のお問い合わせは、東京の正規取扱店GORILLAまでどうぞ。
その他:ザ・リアルマッコイズ、バズリクソンズ、キャブクロージング
<米 国>
アビレックス、アルファインダストリー